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書評

明治の日本を異人さんの目で見てみたら  (『日本奥地紀行』を読む)

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いや、これは面白いです。
ほんとにすごい。
この時代に、女性が馬やかごで東京から北海道まで行ったというのはほんとにすごいです。私は木曽路を女1人で歩いたことがありますが、この現代でも大変だったのにそれを彼女はガイド役の日本人がいたとはいえ、数多の困難にめげず進むその体力、精神力、本当に心から尊敬します!あと、経済力もね…!

ただ、その道中の貧しい村々の描写を見るにつけ、どこかよその国の話のような気もしてしまいました。そう、たとえるなら、現代の東南アジアをひとり旅しているような気分。

とはいえ、彼女にとっての日本人像は「子供を大事にする働き者」。貧相にやせこけてても不潔でも、ずるいことはあんまりしなくて、権力にはちっと弱いけど子供を大事にする働き者。なんだ、日本人て昔からずっと変わんないんだ。そんなことが彼女の目を通して感じられて、ちょっとうれしくなります。

それからアイヌの描写が細かくて勉強になります。よく読むとものの3日くらい滞在していなかったらしいけど、彼らの仕草やしきたりのひとつひとつ、言葉や発音まで細かく観察していて、今までよく知らなかったアイヌの習俗がよくわかります。彼女の好奇心はほんとにあなどれません。

あと、この『日本奥地紀行』で私が感じ入ったのは、ガイド役の日本人、伊藤の向上心。まあ、貧しい村に行けば「こんな日本を見られて恥ずかしい」だの、アイヌは人間じゃないだの差別的なもの言いもするのだけれど、西洋の人に認められるために彼は「ちゃんとした英語」を必死に学ぼうとしていたのです。そりゃあ、日本語で話すときだって背伸びしたいときはわざと丁寧な敬語使うよね。それと一緒で、英語も今風な言い回しを覚えてフレンドリーな会話をするのも大事だけど、かたーいこと言って自分をえらそうに見せることも大事なんですよね、うん。伊藤さんありがとう、何よりそれが勉強になりました!
(これは2006年10月に書いたレビューです)

 







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