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会社や、PTAや子供会、そういった組織内の調整に疲れた人にすすめたい木下斉『地方創生大全』

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geralt / Pixabay

街を救いたいなら、動き出そう。動かない人は、無視しよう。

本のカバーの折り返しにこう書いてある、木下斉さんの『地方創生大全』。

この本の出版社でもある東洋経済新報社の東洋経済オンラインで木下さんの記事を見かけてから、ずっと気になっていた。

木下 斉 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

というのも、街おこしではないが子供会や保育園の保護者会といった地域ボランティア活動にがっつり関わっていた私としては、誰も喜ばないイベントをどうするかや、決まったことにあとから文句を言う人に頭を悩ませていた。街おこしでも同じような問題が起きており、何か処方箋が見つかればと思ってこの本を手に取ったのだが、結果は大正解

 

何も目からウロコのような解決方法があるわけではなくて、とにかく文句言う人には実際にやって見せること。また実際にやってみた結果いい方向に動いていないのであれば、漫然とそれを続けることなく早めにその事業をたたむこと、そして利益を出し続けること。そういった当たり前だけど続けるのが難しいことを、ただ地道に実践し続けていくことの大切さとその有効性を実際に地域で結果を出してきた木下さんが語るのだから、とても説得力がある。

 

木下さんは徹頭徹尾こう主張する。

地方創生に必要なのは、資金調達が可能な事業開発であり、民間が立ち上がって市場と真正面から向き合い、利益と向き合って取り組むこと。

つまり外部の人に安易に意見を求めたり、その言いなりになったりするのではなく、また行政が何とかしてくれると言う意識を捨て、自分たちが主体的にかかわっていくことを求めているのだ。

 

子供会にしても保護者会にしてもみんな言いたいことを言うけれど、実際に作業をやってくれる人は少ない。誰かがやってくれるものと思っている。そんな中で自分のやりたいことは自分が汗をかいて実現すべきと思っている私は、仕事や育児に追われる生活をしながら、ボランティア活動での義務感と責任の狭間の深い深い溝に落ち込んでいくのである。

 

そんな私にとってこの一文は本当に救いになった。

地域活性化においては、責任を取らない100人の意見を集めるより、行動する1人の覚悟のほうが尊い

もちろん自分の行動を「尊い」と言うのはおこがましいけれど、みんなに好き勝手言われようとも、筋を通すところは通していいんだという覚悟がこれでできた。

 

そして日本人は全員で意思統一してから物事を進めようとすることを指摘し、こうも書いている。

新たな取り組みについて、皆が時点に合意できることなんて自体が「幻想」である。

何かを立ち上げる時に全員が合意できることなんかまずないし、またうまくいかずに傷口を広げる前に撤退する時にも、全員が合意できることなんて有り得ない

だから、自分の意見に責任を持って物事を進めていこうとする人たちで動かしていくしかないのである。

 

もちろん声が大きければいいという話ではない。

地域の取り組みでありがちな「俺はそんな話を聞いていない」や、提案者との人間関係において賛成反対を決めるような合理的な視点を失っている場合には、定量的議論の機会と柔軟性の確保を「初期段階」で確認するのが大切だという。またせめて論理的・定量的な議論を定期的に行うだけでも、かなり暴走を止められるという。

 

私はPTAはまだやったことがないけれど、子供会や保育園の保護者会などのような組織ではどこも今どきはいかに作業を減らすかということが課題になっている。作業を減らすのはもちろん大事だけれど、何を減らすべきなのか、何を続けるべきなのか、またここでその作業をおしまいにするためには誰にどのような説得を行わなければいけないのか。そういったことを考えるときにとてもよい指針となるのではなかろうか。

 

このように地域活性化事業にとどまらず、やるべきことへの使命感と、その作業にあとどのぐらい自分の労力を避けるかということと、周囲の非協力的な態度あるいは過干渉に悩まされている人には、ぜひこの本を一読することを進めたい。

 

それから余談になるが、投資についても参考になる表現がいくつかあった。

手元にある資源で事業に取り組み利益を出して、さらに次の事業に投資し続けるというリサイクルを作るのが地域活性化の基本

 

さらに損切りについてはこんな身につまされる表現があった。

問題が起こった後に、それを場当たり的に取り繕うことによって責任を先送りすると、追い銭が高くつく。

目標をどの程度下回ったらプロジェクトを中止するのか。これは最初に明確に定め、取り組むことがすべての基本

挑戦して、まずくなったらいったん手仕舞いして、再度やり方を変えて挑戦してみる。この繰り返しを続けられるようにするためにも、大きな失敗をしてはいけないのです。

損切りはもちろんだが、何だか人生訓としても通用する味わい深い言葉だ。

 

このように「地方創生大全」は町おこしの本ではあるけれど、地域ボランティア活動や、社会人として仕事をしていく上でのヒントがたくさんあり、また起業や投資をする際にも指針となるような言葉が随所にちりばめられている。

下手な自己啓発本より、実に人生に役に立つ本と言える。

 







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